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■ 地方紙 「つなぐ」 2022夏号に、新作エッセイ 「青サギと戦争」 が掲載されました。
画像をクリックすると拡大表示されます。
◇町立久万美術館開館35周年記念 2024年度久万美メッセ
― 未来を見据えて
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2024年5月18日(土)〜9月1日(日) 9:30〜17:00 休館日:月
町立久万美術館
〒791-1205 愛媛県上浮穴郡久万高原町管生2番耕地1442-7
TEL 0892-21-2881 / FAX 0892-21-1954
URL https://www.kumakogen.jp/site/muse/
「WORK A-22」 油彩(1989年制作) が出展されています。
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◇吉田淳治 油彩展 (仮称)
2024年7月18日(木)〜31日(水) 11:00am〜6:00pm
ギャラリートーク:7月20日(土)18:30〜19:30 吉田淳治×大倉宏 (聞き手)
参加料500円 / 申込不要 / 直接ご来場ください
新潟絵屋
〒951-8668 新潟市中央区上大川前通10番町1864
TEL/FAX 025-222-6888
URL http://niigata-eya.jp/
※当展覧会に寄せた大倉宏氏のコメントを新潟絵屋のホームページで読むことができます。
BG-21 455×530mm |
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BG-34 727×606mm |
BG-33 727×910mm |
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BG-12 242×333mm |
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■2012〜24年開催20会場における展覧会報告
□2024
◇吉田淳治 油彩 展 生まれ出るもの
2024年5月11日(土)〜26日(日) 12:00〜18:00 休廊日:火、水
5月11日(土)15:00〜 吉田淳治×原田光(美術評論家)ギャラリートーク、レセプション
Gallery 芽楽
〒465-0065 名古屋市名東区梅森坂1-903
TEL/FAX 052-702-3870
URL www.gallery-garaku.ecnet.jp/
「寄せて返す」
何かが現われてくるときは、そこにある何かが消えてゆくときなんだ。色でも、形でも、そこに現われるときは、先からあったものは消え、隠れ、押しのけられてゆくんだ。そこに現われているものは、先に現われたものを消したのであり、次に現われてくるものによって消されるわけなんだ。現われて消える、現わすことは消すことだということが、ひたすら繰り返される。それが絵なのだ、描くことなんだと、これらの絵はいっている。
否定され、塗り消されるようにして、背後へ去っていった色、形、タッチたちの痕跡、かすかな気配に、僕は目をやっている。気配が立ちこめて、そっとざわつき、空間になる。寄せて返す海の面を見はるかしている感じになる。波の作用と絵描きの制作は同一かもしれない。ひたすらに寄せて返す。空間というのが生じてくるのに立ちあっている感じになる。 原田光
BG-28 727×606mm |
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BG-16 500×727mm |
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□2023
◇青のありか 吉田淳治展
2023年4月29日(土)〜7月10日(月) AM 9:00〜PM 5:00
入館料 大人 300円 65歳以上 200円 高・大学生 200円
中学生以下、障がい者手帳等をお持ちの方は無料
○ 対談: 吉田淳治×原田光 (美術評論家・元岩手県立美術館館長)
4月29日(土) PM 3:00〜4:00 観覧無料 ※入館料が必要です
畦地梅太郎記念美術館
〒798-1114 愛媛県宇和島市三間町務田180-1
TEL 0895-58-1133
URL https://www.city.uwajima.ehime.jp/site/azechi-iseki-museum/
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□2022
◇青のありか 吉田淳治 油彩小品展
2022年11月1日(火)〜9日(水) 10:00am〜6:30pm
べにばら画廊
〒798-0041 愛媛県宇和島市本町追手2-8-6
TEL 0895-22-1104
URL https://benibara.webhop.info/
今年になって青のシリーズが動き始めました。名古屋、仙台に続き、当地では9年振りの油彩展となります。また、来春(4月29日〜7月10日)には、畦地梅太郎美術館において、大作による展覧会が開催されます。制作の場である地元での2会場。合わせてご観覧ください。
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◇佐々木美術館9周年芸術祭
2022年5月26日(木)〜6月26日(日) 10:00〜17:00 月曜休館
6月5日(日) レセプション、アーティストトーク
秋保の杜 佐々木美術館&人形館
〒982-0242 仙台市太白区秋保町境野字中原128-9
TEL 022-797-9520
URL http://akiunomori.jp/
仙台の地においては初の展覧会となります。
当展では大サイズの作品も展示しています。
5日に行われたアーティストトークとレセプションには、
多くの方々にお越しいただきました。その様子を掲載します。
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吉田淳治 展 風景 - カゼのケイ
2022年4月9日(土)〜24日(日) 12:00〜18:00 休廊日:火、水
9日(土)15:00〜 ギャラリートーク、レセプション
Gallery 芽楽
〒465-0065 名古屋市名東区梅森坂1-903
TEL/FAX 052-702-3870
URL www.gallery-garaku.ecnet.jp/
ギャラリートークには岩手県立美術館元館長の原田光氏をお迎えし
吉田淳治との対談が行われました。
以下、展覧会DMに寄稿していただいた、原田氏による文章です。
視界には、光や空気や湿気などの層があり、層は動き停滞し、音も匂いも発生していて、濃淡定まらない。その中に、固定の造物を見つけて描いたりすることが、絵描きの仕事のわけである。風景、静物、人物などは、固定的にとらえた物質の表情だが、そういう絵のよし悪しをいうときに、やれ光がどうだ、空気がどうだ、ぜんぜん描けてないじゃないかなどという。見えないものは描けない。しかし、それが見えてこないと、見えているはずのものもたよりない。その見えないものが視界を満たしている。絵描きを悩ませる。
吉田さんは、海と空のあわいの町の宇和島に住んでいる。何十年も描いていて、もうほとんど、海と空に吸われてしまっていると思える。固有の名前をもっていながら、海と空は、光と空気と湿気なのではないか。逆巻き、静まり、流れる。それを見ている。感じている。吹き流しのように敏感である。それだから、こういう絵になる。そう思える。
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□2020
おかげさまで20年 Gallery 芽楽 20周年記念展
※この展覧会に、油彩、水彩各1点が展示されました。
□芽楽 コレクション展(絵画、版画、立体) 2020年11月14日(土)〜23日(月)
□近、新作展(絵画、版画、立体) 2020年11月26日(木)〜12月13日(日)
12:00〜18:00 休廊日:火、水
Gallery 芽楽
〒465-0065 名古屋市名東区梅森坂1-903
TEL/FAX 052-702-3870
URL www.gallery-garaku.ecnet.jp/
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□2019
吉田淳治 水彩展 WATERCOLORU
2019年 11月27日(水)〜12月11日(水)
10:00〜18:00 休廊日:無し
ギャラリートーク 30日(土)16:00〜
べにばら画廊
〒798-0041 愛媛県宇和島市本町追手2-8-6
TEL/FAX 0895-22-1104
URL https://benibara.webhop.info/
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吉田淳治 展
絵画風景 series 油彩
WATERCOLORU series水彩
oil painting 500×727mm
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watercolor 235×313mm
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2019年 5月25日(土)〜6月5日(水)
11:00〜18:00 最終日:16:00まで
■アーティストトーク 5月25日15:00〜
Gallery Shimada
〒650-0003 神戸市中央区山本通2-4-24 リランズゲート B1 un
TEL/FAX 078-262-8058
URL http://gallery-shimada.com/
吉田淳治の絵に、私は、ひとりのなかの、ふたりを感じる。
絵はひとりの世界を表すこと=自己表現だとよく言われるが、この画家は絵という路上で、自己ならざるものと出会う。ことに彼が1990年代から、断続的に描いてきた水彩画では、吉田と、もうひとりが、組み合い、足をすくい、押し合い、転倒したり、落下したりして、そのダイナミックとも言うべきプロセスが、色になったり、光になったり、深々した呼吸になったりするのだ。
もうひとりは、別の吉田なのか、そうでないのか、わからないけれど、仮に前者だとすれば、自己表現よりもっと豊かな、自己(ひとり)’s表現が、ここにあると言っていいのかもしれない。
(美術評論家:大倉 宏)
長く絵をかいてきたが、中でも力を注いだのは油彩。その重みから解放されたいのか、時に水彩やドローイングに集中する。
いずれにしても、先を見越したり特定のイメージに繋げようとはしない。からだにあるだろう蓄積はそのままに、からっぽの緊張でいきなりのタッチ。反応する次のタッチ。何が起きるかわからない。だからかく。見えぬものに手を伸ばす。それが僕のモチーフ。
東京に暮らした随分昔、新幹線が大阪までしかなかった時代のことです。郷里である四国、宇和島との道すがら。山陽本線『つばめ』の車窓から目に飛び込む赤茶色の街。「神戸だ!」と、通過する度に惹かれた光景が今も浮かびます。
なぜか縁のなかった関西。初の神戸展。僕の絵がどんな風に見え、見ていただけるのか。未知なる場所に期待しつつ出掛けたいと思っています。
(画家:吉田淳治)
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□2018
■展覧会出展
開館30周年記念展 「久万美 いま 30th」 ―― 久万美術館(愛媛) ――
【第1部】 井部コレクション 2018年9月8日(土)〜10月31日(水)
【第2部】 久万コレクション 2018年11月10日(土)〜12月16日(日)
2部に、久万美所蔵の吉田の作品「WORK A-22」が展示されました。(1989年制作 80.3×130.3cm 油彩)
同館の運営方針「新たな価値の創造」に沿ったコレクションの中で紹介。
〒791-1205
愛媛県上浮穴郡久万高原町菅生2番耕地1442-7
Tel 0892-21-2881
Fax 0892-21-1954 |
吉田淳治 水彩展 WATERCOLORU
2018年 4月7日(土)〜16日(月)
11:00〜17:00 休廊日:無し
作家在廊日 7、8、9日(午後)
レセプション 7日17:00〜
Studio M
〒184-0013東京都小金井市前原町5-5-14
TEL/FAX 042-381-0176
URL https://studio-m.webhop.info/
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□2017
吉田淳治 水彩展 WATERCOLORU
2017年 10月21日(土)〜29日(日)
10:00〜17:00
休廊日:火曜
ギャラリートーク 21日15:00〜16:00
吉田淳治×高木貞重(久万美術館館長)×清家克久(絵画コレクター)
レセプション 21日16:00〜18:00
GALERIE une fille
〒791-0245 愛媛県松山市南梅本町1032番2
TEL/FAX 089-0904-6939
開廊五周年を記念して、吉田淳治さん(宇和島出身)の水彩画展を開催いたします。中予では2011年、久万美術館による企画「絵画のwaltz−吉田淳治展」以来、松山では22年振りとなります。
吉田さんは、これまで油彩に多くの力を注がれてきましたが、今展は、昨年から各地において高評を得ている新シリーズ「WATERCOLORU」の連作を展示します。滲みをいかした色面と、そのせめぎ合う接点(境界線)によって表現される"混沌を大きく包む強い静けさ"。この美しく比類ない水彩画を是非ご覧ください。
主催者
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トレド+吉田淳治
2017年 8月1日(火)〜31日(木)
会場:オーダーカーテンと家具の専門店トレド
〒950-0088 新潟市中央区万代3丁目5-36
TEL. 025-255-5502 URL http://c-toledo.jp/
Open 10:30〜19:00
Close 水曜日、8.13〜16
洗練されたデザインのトレドショールームに、吉田淳治の美しく深みのある水彩画をプラスしたら・・・どんなに素敵なことやら!
*2017年6月2日〜10日 「吉田淳治 水彩展 WII」(会場:新潟絵屋)出品作品の一部が巡回します。 |
吉田淳治 水彩展 WATERCOLORU
2017年 6月2日(金)〜10日(土)
11:00〜18:00 最終日:17:00まで
作家在廊日 3、4日(午後)
関連イベント
■ギャラリートーク 「水彩画について」
吉田淳治×大倉宏(美術評論家・新潟絵屋代表)
3日(土)18:00〜19:00 / 500円
■吉田淳治さんを囲む日本酒の会
3日(土)19:30〜21:00 ※要申込
申込受付・お問い合わせ (新潟絵屋)
新潟絵屋
〒951-8668 新潟市中央区上大川前通10番町1864
TEL/FAX 025-222-6888
URL http://niigata-eya.jp/
吉田淳治の水彩画展を、新潟絵屋がオープンしてまもない2001年に開いた。2月。大雪の年で会期中画廊の周りは白と灰色の世界だった。そのなかで、あたたかな水の気配を吸い込んだ絵の、色の鮮やかさが目にしみた。
その後、吉田は油彩に戻って、水彩を描かなくなり、年月が過ぎた。また水彩を始めた、発表していきたいと連絡を受けたのが去年。
「水という物質の不思議な作用。形がないのに他のモノを吸い、走らせ、裂き、衝突させ、まぜあわす。吉田さんの画面のあらゆる場所が、今は蒸発して消えた水の痕跡で、きらめいている」と16年前に私が書いた「きらめき」は、新シリーズでも健在だ。同時にその水の表情が、より深くなった気がする。音楽で言うなら低音部が豊かになった。そのせいか色が目を抜けて、腹や体にまでしみてくる。(大倉宏)
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吉田淳治 水彩展 WATERCOLORU
2017年 4月8日(土)〜23日(日)
12:00〜18:00
休廊日:火、水
作家在廊日 8、9日(午後)
レセプション 8日15:00〜16:00
Gallery 芽楽
〒465-0065 名古屋市名東区梅森坂1-903
TEL/FAX 052-702-3870
URL www.gallery-garaku.ecnet.jp/
2000年、吉田淳治水彩画集が発刊され、伴う展覧会が各 地で開催された。その中の一つ、マエダ画廊(名古屋市) で吉田さんの作品と出会い、強く惹かれた。しかし、吉田 さんは水彩の制作を長きに亘って中断してしまう。この間、 当ギャラリーでは3回の油彩展がある。そして今回、待望 久しい新作による初の水彩展が叶った。深く静かに浸透し てくる、美しく比類ない水彩画を、ぜひご覧ください。 芽楽 |
□2016
吉田淳治 水彩展 WATERCOLORU ― べにばら画廊 ―
2016年10月18日(火)〜25日(火)
各地で好評を得て以来、15年振りとなる新作による水彩展。
合わせてHAKASE-SUN「幻想とリディムの旅」CD使用の原画も展示いたしました。
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□2015
吉田淳治+Gallery収納 美部屋(ビベヤ)展 ―― GALLERY収納 (東京) ――
様々な部屋に合わせた収納家具など、洗練された空間をコーディネートするギャラリー収納。今回、そこに吉田淳治の絵が加わりました。見手の心に静かに溶け込んで行く吉田の作品が、どのように共存し響き合うか。絵のある部屋。“少し得な潤いをもたらす暮らし”をご提案いたしました。 企画:吉田桃子
2015年6月5日(金) 〜 20日(土)
銀座店 〒104-0061 東京都中央区銀座5-12-5 白鶴ビル1F
青山店 〒107-0062 東京都港区南青山5-4-31 ニッカウヰスキー本社ビル1F
※ 2ヵ所同時開催
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□2014
吉田淳治 オブジェ・ドローイング 展
2014年 10月21日(火)〜28日(火)
10:00am〜6:30pm
初日17:00よりオープニングパーティー。
ご自由にご参加ください。
べにばら画廊
〒798-0041 愛媛県宇和島市本町追手2-8-6
TEL/FAX 0895-22-1104
URL http://www5.ocn.ne.jp/~benibara/
リーフレット(オブジェ面) (ドローイング面)
画家 吉田淳治が、長年に亘りこの地で制作する中で、目に留まり拾い上げ遊んだオブジェを初公開。
合わせてペンと鉛筆によるドローイングを展示。
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□2013
絵画風景 吉田淳治展
2013年 10月26日(土)〜11月10日(日)
12:00〜18:00
休廊日:火、水
作者在廊日 10月26、27日
レセプション 10月26日15:00〜16:00
Gallery 芽楽
〒465-0065 名古屋市名東区梅森坂1-903
TEL/FAX 052-702-3870
URL www.gallery-garaku.ecnet.jp/
―― 近作による油彩展 ――
2011年の久万美術館を皮切りに、全国各地で意欲的な作品を発表してきた吉田さん、名古屋で一区切りとなる今展、是非ご高覧ください。(芽楽)
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絵画風景 吉田淳治展 ―― べにばら画廊 (宇和島) ――
近作による油彩展
2013年 5月21日(火)〜29日(水)
〒798-0041 愛媛県宇和島市本町追手2-8-6
TEL・FAX/ 0895-22-1104
KF-137 Oil on canvas 455×530mm
7年振りの地元開催とあって、多くの人が熱心に見て行かれました。会場でのオープニングパーティーに加え、後援会「JY絵 club」の懇親会もあり、
今回作品を求められた「世界の中心で愛をさけぶ」の小説家、片山恭一氏もゲスト参加されるなど賑やかに盛り上がり、盃を重ねながら宴は深夜まで及びました。
7年の経過と共に、抽象的な絵に対し構えることなく自然に見る人が増えて来たようです。絵画の世界に、わかるわからないではなく、広く自由な目で接してもらいたいものです。
次回10月のギャラリー芽楽(名古屋市)で、久万美術館(2011年)から始まった、この一連の流れの展覧会のひとつの区切りを迎えます。 |
絵画風景 吉田淳治展 ―― ギャラリー小蕪亭 (長野) ――
近作による油彩展
2013年 3月29日(金)〜4月23日(火)
〒399-3705 長野県上伊那郡飯島町七久保2017-116
(千人塚公園の中)
TEL・FAX/0265-86-5890
KF-119 Oil on canvas 455×530mm |
素描2人展 緑川俊一・吉田淳治
2013年 3月2日(土)〜10日(日)
AM.11:00〜PM.6:00
NPO法人 新潟絵屋 企画 大倉宏
〒951-8068
新潟市中央区上大川前通10番町1864
TEL/FAX 025-222-6888
D-74 鉛筆・紙 217×268mm
たとえば手を左右に振るような、誰もができる体の動きによって人を感動させるダンサーにこそ、私は感嘆するのだけれど、
その動く手が紙の上で、鉛筆を持っていれば、素の描線 ― 素描が、そこに生まれる。すぐれたダンサーの動く手に、多くのものが含まれ語られるように、
すぐれた素描家の手が生み出す線も、その画家だけがもつ豊かさを、抱えている。鉛筆が絵筆になれば素描は絵になるが、絵の底には手の動きが、つまり素描が、潜んでいる。
昨年夏の砂丘館の吉田淳治展では、色彩の美しい油彩をならべた。
深く低く響くバスの声のような画面に目を近づけると、鑿跡に似た硬質の筆蝕が見えた。その筆蝕 ― 動き(つまり素描)の集積が、色を共鳴させているのだった。
吉田さんからは、同時期に描かれた鉛筆の素描も預かっていたが、スペースの関係で展示できなかった。
緑川俊一の素描を、砂丘館に時折飾っている。反応していく人がいる。この人の絵をもっと見たいと言われる。多くではない反響が、強い。無数の表情を秘めつつ、早く、放り投げるような緑川さんの屈曲する線も、独特さではひけをとらない。
強さと深さ、剛毅と繊細を兼ね備えた2人の素描を並べて、素描の力を感じてみたくなった。 大倉宏(美術評論家)
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□2012
絵画風景 吉田淳治展 ―― 始弘画廊 (東京) ――
近作による油彩展
2012年 11月26日(月)〜12月8日(土)
〒107-0062 東京都港区南青山5-7-23 始弘ビル
TEL/03-3400-0875 FAX/03-3400-0875
KF-133 Oil on canvas 606×727mm
高級ブランド店が立ち並び、おしゃれな人々で賑わいを見せる南青山という場所柄。そんな中、1本の桜の古木に寄り添うようにしてある落ち着いた風情の始弘画廊。
オープニングには美術関係者、音楽家、役者など、様々な分野で活躍する多勢の人達が集い盛況でした。その後は、絵の静けさに浸るようにこの空間を味わい、ゆっくりと観賞して行く人が目立ちました。
作者は東京に10日間滞在。相手変われど主変わらず、連日の宴会でした。 |
絵画風景 吉田淳治展 ―― 砂丘館(新潟市) ――
夏、真っ盛りの中開催された展覧会。暑さと多数のイベントが重なり出だしの来館者は少なめでしたが
次第に増えて行き、好評の内に4日間の会期延長もあり、入場者数は1166人でした。
感想の書き込みも多数あり、その一部の抜粋を記します。
○ぼんやりしながらもはっきりと、あいまいなようでしっかりと、記憶に残る
宮城県からやってきて1年と3ヶ月、就職活動、がんばろうと思う
○静かさと弾むような色と形が柔らかい空間を作っている
○どこかなつかしい風景
○波紋のように揺れ動く青がこの暑さをやわらげる
○あなたの描くものがいつもそばにあったら毎日新しい発見ができそう
○心が和む温かさと落ち着く爽やかさ
○清涼感ある絵
○まさにシンプルイズベスト!!サイコウ
○色彩の美しさにひきこまれた
○具象でない絵にこんなに見入ったことがない
○砂丘館にぴったんこです。あっぱれ!!
○目をとめてしまうと吸い込まれそうになるのであわてて後ろに下がった
○さわやかで深い絵、いい気分で帰れる
○自由にさせてくれる
○外が暗くなるまでずい分長いことたたずんでいた
○心がファーと浮き上り広く大きく感じた
○大きくてゆっくりほとんど動かず、だからこそ小さな動きや物音がある静かな作品
○自然界の中のどこかにこんな一瞬がある
○じっと眺めていると奥行きが表れて海を見ているよう
○とても疲れていたのに幸せな気持ちになれた
○瞑想した時の天地左右のない世界に入ったようなふんわりとしたものに包まれる
○何度も何度もぬり重ねて、石が石になったように絵になろうとしているのか。この人は・・・
会期 : 2012年7月31日(火) 〜 9月2日(日)
その他関連事業
◇HAKASE-SUNライブ 8月3日(金) PM.6:30 〜
友人、吉田淳治の絵の空間でHAKASE-SUNが奏でる夏のひびき
◇ギャラリートーク 8月4日(土) PM.2:00 〜
吉田淳治 = 聞き手 : 大倉宏〔美術評論家 / 新潟・砂丘館館長〕
◇「吉田淳治小品展」 同時期開催
7月31日(火)〜8月26日(日)
北書店 (新潟)
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